彩の国 農業・農村景観フォトコンテスト結果
Result announcement
第12回 彩の国 農業・農村景観フォトコンテスト
「埼玉を彩る農業・農村の水土里(みどり)」をテーマとして開催された「第12回 彩の国 農業・農村景観フォトコンテスト」の
審査結果を発表いたします。応募作品330点から、審査委員長として写真家の吉田功氏による最終審査が行われ、水土里ネットさいたま会長賞をはじめとした各賞が決定しました。
写真展のお知らせ
入選作品
【水土里ネットさいたま
会長賞】
タイトル | 田水張る -久喜市菖蒲町- |
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受賞者 | 菊池 隆夫 |
撮影者コメント | 満々と水を溜めた田圃の水面に、春の青空が清々しく映っていました。 |
講評 | スケールの大きな作品になりました。広角レンズを上手に使用して広がりや奥行を出すなどかなりの実力です。空の部分を少なくしたことで、水面に写る青空が強調されました。手前の緑の草とのバランスも良かったですね。それぞれの田んぼに引く水路を左に寄せたのも構成上、成功しています。 |
【さいたま土地改良推進協議会会長賞】
タイトル | 都市農業 -さいたま市- |
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受賞者 | 堀越 力男 |
撮影者コメント | 農業後継者は育っています。 |
講評 | 農作業が機械化されていくことで、女性も参加しやすくなることは良かったですね。しかも若い人の様ですから各地に後継を期待できる流れになるといいですね。後方に副都心の特徴あるビルを配したことで、題名通りの都市型農業の未来を想像させてくれます。上部の青い空が強めなのが気になりました。 |
【川越土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | 龍神祭り -鶴ヶ島市- |
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受賞者 | 栗島 進 |
撮影者コメント | 4年に一度の雨乞い |
講評 | ここの撮影は、位置取りが大変。四年に一度ということでカメラマンの数が尋常ではない。よくぞこのポジションを確保しました。手前に担ぎ手を大きく入れて、龍神の尻尾の方までを撮ることで、祭りの力強さや盛大さが伝わりました。ハイアングルからの撮影が成功しましたね。 |
【東松山土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | 一本の小道 -東秩父村- |
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受賞者 | 半田 充右 |
撮影者コメント | 天空のポピー、彩の国 ふれあい牧場。赤い絨毯の様で、普通は下から写すのですが、少し上から見たら一本の道が見えました。 |
講評 | すっかり有名になった東秩父の高原牧場です。手前のポピーにピントを合わせているから、中央左周辺の花がボケているのは理解できます。右側の花のボケに対して奥の緑の斜面はそれらに比べてピントがいいのが矛盾します。加工されてないことを祈ります。画面の構成は良かったですね。 |
【秩父土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | まだまだ現役 -横瀬町- |
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受賞者 | 田中 薔華 |
撮影者コメント | 若い人が農作業から離れていた今、歳に負けないでバリバリ働いているおじいさんに感動しました。 |
講評 | 全体的にまとまりの良い作品になりました。稲かけの棒らしいものを持つ農夫の顔、肩、腕にかけての光線の当たり方。右下の彼岸花の存在。後方の収穫を迎えた稲。どれも無駄のない作品です。農夫の頭上の空と右側の空の色が選い過ぎるのが気になりました。 |
【本庄土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | 取入の日 -美里町- |
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受賞者 | 武内 道直 |
撮影者コメント | 霜降り白菜の取り入れの日、約2万個の白菜の取り入れ。 |
講評 | ベテランらしい作品ですね。広角レンズで白菜畑の広がりを見せています。大胆に左手前の人物を大きくしたことで人の重なりをなくし、配置もバランスが取れました。白菜の量だけでなく作品に強さも出ましたね。欠点の少ない作品になりました。 |
【大里土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | 田植体験勢揃い -熊谷市- |
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受賞者 | 竹林 雅春 |
撮影者コメント | 夏空のもと、大勢の子供達が参加。田植体験を喜んでいました。主催者、親の会の熱意を感じる光景でした。 |
講評 | 子どもたちの田植体験学習は良く見かけます。子どもの数より関係者の多いのにびっくり。作者が行司になって見合って、というところでしょうか。低いアングルで広角レンズを使用し遠近感を強調した結果、にぎやかさが生まれ、鉄塔のあることで地域性も表現出来ました。 |
【加須土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | 梅雨の晴れ間 -加須市- |
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受賞者 | 吉野 宏映 |
撮影者コメント | 見頃のあじさいと生育中の稲苗の田んぼに青空が映り込み、農道には子供が走り郷愁を誘う光景でした。 |
講評 | 子どもの頃によく見かけた光景ですね。今でもこうした懐かしい場面に出会えるとは嬉しいですね。後方の空の部分を少なくして水田のスペースを広くしたのは良かったのですが、アジサイの下部も切り詰めるとさらに広がりを感じることが出来たと思います。 |
【春日部土地改良推進協議会
会長賞】
タイトル | 実りの秋 -白岡市- |
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受賞者 | 楠本 三郎 |
撮影者コメント | 台風の被害もなく、良いお米が収穫が出来たようです。 |
講評 | 秋空のもと収穫作業に勤しむ農夫。一面に豊作と思える稲穂を前に心が弾むでしょうね。稲を刈り込んでいく様子を遠方からサギが見ています。漁夫の利を狙っているのでしょう。のどかな田園風景です。青い空や白い雲など機図的にもうまくまとまりました。 |
【入選
(水土里ネットさいたま)】
タイトル | 狭山茶の古里 -入間市- |
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受賞者 | 水上 貴夫 |
撮影者コメント | 入間市山間の斜面に作られた茶畑。芽吹き前の茶に魁る桃の花。きれいに刈り込まれた茶床が見事です。 |
講評 | 良い場所を見つけました。きれいに刈り込まれた茶畑。その深い緑に花桃の淡い色が調和して日本画を見ているようです。ポスター等の印刷物を見て有名な大風景を撮る人が多いですが、自分で絵になる場所を見つけたのがすごい。個性的な写真は、その繰り返しで撮れるようになります。 |
【入選
(水土里ネットさいたま)】
タイトル | 寒風さらし -深谷市- |
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受賞者 | 真下 廣義 |
撮影者コメント | 収穫した大根を、イチョウ並木で陰干しをして漬物用として出荷されます。 |
講評 | 先人たちの知恵で、銀杏並木を利用して大根を干すことを思いつき、その方法が今の時代にも受け継がれてきました。紅葉した木々と奥行の切り取り方、手前の入れ方など上手く処理しました。残念なのは、日差しが強い時間帯のため白トビが目立ち、大根に白さが足りなかったことですね。 |
【入選(さいたま)】
タイトル | 収穫 -さいたま市- |
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受賞者 | 張替 政雄 |
撮影者コメント | 友人の所に遊びに行ったら、ちょうど芋の収穫をしていました。写真を撮らせてもらい、帰りにはたくさんの芋と芋茎をいただきました。 |
【入選(川越)】
タイトル | 収穫 -富士見市- |
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受賞者 | 桜井 勲 |
撮影者コメント | この日のために、暑い夏も頑張ってきた、という思いが伝わります。 |
【入選(東松山)】
タイトル | 太陽と田んぼ -東松山市- |
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受賞者 | 小島 伊津樹 |
撮影者コメント | 太陽と稲が光によって良く写しだされている。 |
【入選(秩父)】
タイトル | 実りの秋を飾る彼岸花 -横瀬町- |
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受賞者 | 丹羽 由美子 |
撮影者コメント | 棚田を真っ赤な彼岸花が飾り、とても美しい風景でした。 |
【入選(本庄)】
タイトル | トノサマバッタつかまえた① -神川町- |
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受賞者 | 飯島 加那子 |
撮影者コメント | お兄ちゃん達がトノサマバッタをつかまえたけど・・・。大きなバッタにおどろいて、おそるおそる、ちょっと離れて見ている妹の姿がかわいかった。 |
【入選(大里)】
タイトル | あさもやの水門 -熊谷市- |
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受賞者 | 今井 秀和 |
撮影者コメント | 日の出の朝もや。ゆっくりと昇る朝日。今日もいいことがありますように。 |
【入選(加須)】
タイトル | モロヘイヤ摘めたよ~ -行田市- |
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受賞者 | 柴﨑 治 |
撮影者コメント | 祖母と一緒に畑にモロヘイヤを摘みに行ったら虹が出て・・・。 |
【入選(春日部)】
タイトル | 孫と畑仕事 -蓮田市- |
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受賞者 | 堀之内 稔 |
撮影者コメント | 子どもが畑仕事している事が珍しい。 |
【審査委員長特別賞】
タイトル | 春耕 -鶴ヶ島市- |
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受賞者 | 後藤 正明 |
撮影者コメント | 広い畑に突然現れた幾何学模様(きかがくもよう)、そのラインの織り成す様に「畑アート」を感じました。 |
講評 | 掘り起こした黒い土の幾何学模様に写欲が湧いたのでしょう。この作品から土の匂いを感じます。この黒い溝に肥料や種をまくのでしょうね。土の改良事業を推進する主催者のイメージにぴったりの作品になりました |
【学生優秀賞】
タイトル | 古代とつながる場所 -行田市- |
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受賞者 | 関口 葵 |
撮影者コメント | 何百年も前に、つくられた古墳が今も残っていることが灌漑深いです。生い茂る植物達が、何百年という時の流れを感じさせてくれます。 |
講評 | 作者はこの風景に時の流れと今なお生き続けている植物や昆虫に心を動かされました。眼前の美しさに感動するだけでなく、そこにある歴史の重み、樹木やアゲハ蝶の命など、心の目で感じたことを素直に撮っています。 |
審査員紹介
写真家の吉田功氏
一般社団法人 日本写真作家協会(JPA)会員
一般社団法人 二科会写真部 会員
カルチャー吉田写真教室(飯能・坂戸・熊谷)
1944年 埼玉県飯能市生まれ
1984年 二科展入選
2002年 埼玉県写真サロン知事賞受賞
2003年 埼玉県写真サロン知事賞受賞
2008年 JPS展入選
2010年 二科展特選 会友推挙
2011年 埼玉県写真サロン特選 招待となる
2020年 二科会写真部会員推挙
1993年 個展「ふるさと飯能の詩」(飯能市・まるひろ百貨店)
1995年 個展「川越 彩・詩・季」(主催 埼玉新聞社 川越市・まるひろ百貨店)
2000年 個展「奥武蔵詩季彩」(飯能市・まるひろ百貨店)
2003年 個展「能仁寺点描」(飯能市制50周年記念・まるひろ百貨店)
2008年 個展「せんせい」(飯能市・まるひろ百貨店)
2013年 個展「廃校の行方」(日本写真企画)
2015年 個展「大滝小最後の1年」(新宿・ニコンサロン)
2015年 個展「大滝小最後の1年」(秩父市・矢尾百貨店)
2016年 吉田 功とそのグループ展 「福島は今」(ウェスタ川越 2F)
2018年 個展「一人きりの卒業生」(新宿・ニコンサロン)
2022年 個展「10人の生徒で始まった」(ニコンプラザ東京THE GALLERY)
1997年 住宅都市整備公団「ビッグヒルズ」パンフ・チラシ撮影
2000年 写真集『奥武蔵詩季彩』(日本写真企画)
2002年 飯能信用金庫カレンダー「奥武蔵逍遥」撮影
2003年 飯能市市制施行50周年記念 絵はがき撮影(発行・飯能市役所)
2013年 写真集『廃校の行方』(日本写真企画)
2015年 写真集『廃校・大滝小最後の一年』(日本写真企画)
2018年 写真集『廃校・12人の詩』(日本写真企画)
2022年 写真集『10人の生徒で始まった・なみえ創成小中学校』(日本写真企画)